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  • Recollection of MAPP in U-Penn
  • ペンシルベニア大学 MAPP回想録
  • ポジティブ心理学の第一人者から何を学んだのか?

はじめに

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MAPPとはご存知ですか?

Masters of Applied Positive Psychologyの略語で、ポジティブ心理学の創始者であるマーティン・セリグマン博士により米・ペンシルベニア大学に設立された世界で初めての応用ポジティブ心理学修士課程です。ポジティブ心理学が世界的に話題になった2005年に開講され、多くの人材を輩出しています。

また、ペン大での成功とセリグマン博士の支援を受け、イローナー・ボニウェル博士が英国に欧州初のMAPPを開講し、現在ではデンマークやオーストラリアなどの各国の大学院に広がっています。ポジティブ心理学が学べる大学院一覧はこちら

そのMAPP第一期生として、セリグマン博士やピーターソン博士、エド・ディーナー博士などの第一人者から直接教えを受け、世界各地で活躍する同窓生とのネットワークをもつ日本人が、神谷雪江さんです。MAPP卒業後、国内のHRコンサルティング会社に勤務され、その後ご主人の仕事の関係で渡米し、現在もご家族と一緒に米・ボストンにお住まいです。

今回は、神谷さんに依頼し、『ペンシルベニア大学 MAPP回想録』と題し、なぜポジティブ心理学を大学院で学ぶことになったのか、世界の第一人者からどのような学びと薫陶を受けたのか、学習した内容を仕事や人生にどう活かすことができたのかなどを回想していただくことになりました。

#1 ポジティブ心理学との出会い

セリグマンの書籍との出会い

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2002年冬。アメリカ西海岸の小さなリベラルアーツカレッジに通う、当時大学1年生だった私は、冬休みを利用して友人とボストンに旅行中でした。あまりの寒さに近くの本屋に逃げ込み、そこでたまたま見つけた本が 「Authentic Happiness」 (邦訳「世界でひとつだけの幸せ」)だったのです。

著者、マーティン・セリグマンの名前は、心理学の教科書で聞いたことはある・・・程度の知識でしたが、その本を手に取った瞬間、なぜか買わなければならない衝動に駆られたのでした。その本との出会いが、私のポジティブ心理学との最初の出会いとなったのです。

その影響もあってか、大学時代は主に心理学を学びました。そして卒業論文では、セリグマン博士の提唱する「楽観的説明スタイル」について、東洋と西洋の文化的背景を交えた比較研究を行ないました。

それは生意気にも博士の説を「批判」する内容の論文だったのです。楽観的に、より幸せに生きるために必要だとして当時セリグマン博士が推奨していた「説明スタイル」は、西洋では受け入れられても、文化的土壌が全く異なる東洋においては受け入れられないと考えたからです。 アンケート調査を行なって得られた分析結果は、統計的有意なレベルで私の仮説をサポートする結果となりました。(サンプル数も少なく、統計知識もままならない大学生の私が行なった研究であることをご了承いただきたいと思います)


名門ペンシルベニア大学に挑戦!


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大学卒業後は日本に帰国して就職するつもりだった私は、卒業論文を書きながら就職活動中でした。ある日、担当教官のオフィスに呼ばれた私は、2005年に開設予定の新課程MAPP (Masters of Applied Positive Psychology) について聞かされます。世界初のポジティブ心理学の修士課程が開講すること、そしてちょうど第一期生を募集中であることを知ったのです。その瞬間、私は180度進路変更することを決めました。

周りからは無謀と思える挑戦だったと思います。大学院に進学する予定の学生は、1年以上前からGRE(大学院進学のための共通試験)などの準備を始めているものです。まして、ペンシルベニア大学はアイビー・リーグの名門校です。推薦状をお願いした先生の中には、「難しいと思うが・・」と正直に言って下さった方もいました。

しかしながら、私は何かに駆き立てられたように必死に準備を始めたのでした。今振り返ってみると、例え無謀と思える挑戦でも、心に迷いのない目標を持てた事がたまらなく嬉しく、楽しかったことを覚えています。

GREの言語スコアは想像通り散々でした。ただ、卒業論文の内容が評価されました。そう、セリグマン教授は私の挑戦状を高く評価してくださったのです。担当教官の絶大な支援もあり、私はMAPP1期生の切符を手にすることとなったのでした。

(第二回に続く)LinkIcon

2014年2月25日

執筆者:神谷雪江(かみや ゆきえ)

米・ペンシルベニア大学大学院 応用ポジティブ心理学修士課程(MAPP)第一期生。修了後は、日本で人事コンサルティング会社に勤務し、ポジティブ心理学の、組織・人事への応用に従事。2009年より米・ボストンに移り、グローバル人材の採用や翻訳業に従事。 強み診断ツール「Realise2」の翻訳にも携わる。