【2024年】マインドフルネス本
おすすめ人気ランキング10選

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 マインドフルネス初心者向けの良書を紹介

マインドフルネスに興味のある人向けの良書を紹介

現代社会でのストレスに対処するために、新しい習慣や手法を取り入れて心を落ち着かせることは非常に効果的です。
 
この記事では、初心者向けの入門書からより深く学びたい方におすすめの専門書まで、『マインドフルネス』に関する基本概念や効果、実践方法がわかりやすく解説された良書を紹介します。自分の心の健康を向上させたい方は、ぜひ参考にしてください。
 

マインドフルネスの良書の選ぶ際の3つの基準

私は十数年前に始めた海外暮らしでストレスに悩んだ経験から、マインドフルネスに興味を抱きました。外国人の先生から学んだり、書籍や文献を読んだり、8週間プログラムやサイレント・リトリートに参加したりして、学びを積み上げ、日常生活の中で実践してきました。
 
最近、「マインドフルネスをもう一度学び直そう」と考え、Amazonで検索してみると、2000以上の結果が表示され、驚きました。マインドフルネスに関する本は非常に多岐にわたるのですね。以前は数冊の翻訳書しかありませんでしたから、変化に驚かされました。どの本を読めばいいか迷子になりそうでした。同じような経験をした人もいるのではないかと思い、今回はマインドフルネスに興味のある人向けに、10冊の本を紹介することにしました。
マインドフルネスの良書を選ぶ際に、3つの基準を重視することにしました。
 

  1. 著者の信頼性: 著者の経歴や専門性を考慮し、信頼できる執筆者であるかどうかを見極めました。エビデンスを重視している著者は信頼性が高いと思います

  2. わかりやすさ: 本を読むのは時間とエネルギーがかかります。したがって、著者の考えが分かりやすく、頭に入りやすい本を私は好みます。内容が立派でも心に響かない言葉であれば、時間がもったいないと感じてしまいます。

  3. 内容の実用性: ビジネスパーソンとして、知識を得て自己満足するよりも、実践的で即座に役立つアドバイスを提供してくれる本に価値を感じます。

 
最後に、これは条件ではないですが、電子書籍化されている本を優先的に選びました。紙の本は場所をとるのでできるだけ買わないようにしている、という私の事情が理由です。各本の紹介文には、私が愛用しているヨドバシ・ドットコムのURLも記載しています。割引価格で手に入るのでお得ですよね。
 
本記事では、これらの基準に基づき、おすすめのマインドフルネス本10冊を紹介します。マインドフルネスを学びたい方や、より充実した日常を送りたい方にとって、参考になる記事になること間違いありません

ハーバード・ビジネス・レビュー(EIシリーズ) マインドフルネス

 

(EIシリーズ) マインドフルネス

 
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最初におすすめするのは、ハーバード・ビジネス・レビューで厳選されたマインドフルネスに関する本です。ただし、見た目ほど堅苦しい本ではありません。エッセイ形式の記事が14本まとめられており、気軽に読める構成となっています。
 
この本の特徴は、EQの専門家でありマインドフルネス研究でも影響力のあるダニエル・ゴールマンや、「マインドフルネスの母」と呼ばれるエレン・ランガー、企業におけるマインドフルの実践プログラムで有名なラスムス・フーガードなどの代表的な心理学者や実践者の見解が紹介されている点です。エビデンスも豊富に取り上げられています。
 
この記事の後半に、最近出版されたエレン・ランガー教授の「マインドフル・ボディ」も紹介しています。こちらの本に記載されたランガー教授のエッセイ風の論文を読んでから、その本を読む方が、理解が進むと思います。
ポジティブ心理学も同様ですが、このような広範囲にわたるマインドフルネス研究を網羅した本を読むことで、全体像を理解しやすくなります。これにより、他の本の位置付けが明確になり、本論と各論、本流と傍流を区別するのが容易になります。ですので、多くの本に迷わずに済みます。


Mindful eating 人生が豊かになる食べ方の習慣

 

Mindful eating 人生が豊かになる食べ方の習慣

 
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「マインドフルに食べる」というテーマに特化した本です。ただし、この本はダイエットの本ではありません。むしろ、マインドフルに食べることを習慣化し、マインドフルネスを日常生活に取り入れて実践することが目的です。(結果として痩せる人もいるそうですが)
 
著者のジャン・チョーズン・ベイズさんは、医学を学び小児科医として活躍した方で、米国オレゴン州で旦那さんとともに禅の寺院の代表をされ、マインドフルな食べ方を含むマインドフルネスの実践手法を個人や医療従事者に指導しています。お子さんやお孫さんもいらっしゃるので、本の中で食育的な手法も多く紹介されています。
 
この本の特徴は、マインドフルに食べるための23の練習が紹介され、非常に実用的な内容であることです。食べることを通してマインドフルネスの本質がわかりやすく説明されています。また、心が落ち込んで悩んでいる人たちやストレスにさらされている子供たちを助けたいという深い愛情や慈しみの心が非常に感じられる本です。
 
実は、ベイズさんの翻訳書では本書が2冊目で、1冊目の『「今、ここ」に意識を集中する練習』の方がよく売れているようです。ただし、1冊目は禅の教えが前面に出ていましたが、本書はマインドフルネスが中心となっているため、私としてはこちらをおすすめしたいと思います。
 
なお、翻訳者の高橋由紀子さんは、『幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』などのポジティブ心理学の人気本を手がけ、マインドフルネスに関する優れた書籍も翻訳を通して国内で紹介されています。以前にメールでやり取りさせていただき、とても誠実に心を込めて翻訳の仕事をされているプロである印象を持ちました。慶應義塾大学出身なので私の先輩でもあります。高橋さんの訳書はハズレが少ないので、今回も自信を持っておすすめできます。


ストレスに負けない生活―心・身体・脳のセルフケア

 

ストレスに負けない生活―心・身体・脳のセルフケア

 
https://www.yodobashi.com/product-detail/100000086600121105/
 
早稲田大学の熊野宏昭教授による、ストレスマネジメントに関する本です。熊野先生は臨床におけるマインドフルネスの分野や、マインドフルネスを心理療法に応用したACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)の分野で第一人者であり、これまでにもマインドフルネス関連の多くの書籍を著しています。その中で、私が最も好きなのがこの新書です。2007年に発刊された古い本ではありますが、今読み返しても学びや気づきが豊富な内容です。
 
私も仕事におけるストレスに悩まされてきましたが、熊野先生の「ストレスは力まず、避けず、妄想せずで自分でマネジメントできる」という本書でのメッセージは大いに参考になりました。本書の特徴としては、「力まず」に関するリラクセーション関連の内容にページが割かれていることがあります。効果的なリラクセーションは、のんびりするものではなく実践的なものであり、日常で習慣とすることでストレスによる"健康負債"を蓄積することを防ぎ、リラクセーションによる"健康貯金"ができていくという視点は、考えさせられます。
 
本書では後半にMBSR(マインドフルネス ストレス低減法)やMBCT(マインドフルネス認知療法)、ACTの紹介とエビデンスが説明されています。マインドフルネスを活用することで、ストレスを自分の内面から生み出す原因となっていた「固定化されたネガティブな自己イメージ」から自由になることができると伝えています。ストレスに悩む人におすすめの一冊です。


サーチ・インサイド・ユアセルフ 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

 

サーチ・インサイド・ユアセルフ

 
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「マインドフルネス研修はグーグルで導入されている」という事実が世界的に知られるようになったのは、ベストセラーになったこの本がきっかけでした。私が初めて本書を手に取ったのは、発刊されてすぐの2016年ごろでしたが、当時のグーグルは親会社のアルファベットを設立したばかりで、CEOに創業者のラリー・ペイジが就任し、検索エンジンや広告事業、YouTubeなどで急成長を遂げ、イノベーティブな企業として世界的に注目されていました。ビジネス誌では毎月のように記事が掲載され話題になっていたのを覚えています。
 
当時のグーグルは、IQの高い優秀な人材を採用する方針を持つことで有名な会社でした。創業者二人はスタンフォード大学大学院出身ですが、採用においては大学名をそれほど重視せず、本人の知性を構造的面接によって分析し、ハイレベルな社内業務に耐えられる若者を採ることに熱心でした。当初は創業者のラリーとセルゲイの創業者自ら最終面接をしていたそうです。
 
その世界最高峰の頭脳集団で、IQやコンピューターとは対をなす位置付けとも思われるマインドフルネスが必要とされ、その研修が歓迎されたことは、意外な事実でした。しかし、その実績が、マインドフルネスをビジネスの領域で身近にし、信頼性を高めることに大きく貢献しました。本書の序文では、EQで有名なダニエル・ゴールマンが、「グーグルというテック企業でSIYと称されたEQとマインドフルネスのトレーニングを広めたのは開発者のチャディー・メン・タンの企みであり、マインドフルネスを広める上で大きな成果をやり遂げた」といった賛辞が記されています。
 
7年後に久しぶりに本書を読み返しましたが、SIYというトレーニングを紹介する本でありながら、マインドフルネスを理解する上で役立つ良書です。しかもSIYはマインドフルネスとEQの両方を伸ばすことを目的とした研修ですので、本書を読めばEQについても理解できるため、ある意味でお得です。私のように、まずは理屈から入らないと実践に進めない頭でっかちな人には、オススメの本です。


心が整うマインドフルネス入門 ~ビジネスエクゼクティブが実践するニーマルメソッド~

 

心が整うマインドフルネス入門

 
https://www.yodobashi.com/product/100000086602079042/
 
この本は、ネパール出身で、世界各国でハタヨガ瞑想を教え、現在は東京・広尾のスタジオで瞑想クラスを開催し、ニーマルメソッドというヒマラヤ地域で5000年以上受け継がれてきた瞑想の叡智を現代人に伝える仕事をされているニーマルさんによって書かれました。(翻訳書だと思っていましたが、違いました)国内のビジネスパーソンを対象として書かれているので、私にとっても読みやすく、一気読みすることができました。
 
瞑想一家の長男として育った著者は「マインドフルネスと瞑想は別物」と言います。マインドフルネスとは、五感を使って、自分が今やっていることに完全に意識を向けている状態のこと。最適な練習法としては、日常の暮らしの中で、自分の身体・思考・感情を観察し、脳の持つ「気づき」の力を高めることがあります。一方で、瞑想は何かというと、自分の内側に完全に意識を向けている状態を指します。目を閉じたり、雑音が耳に入らない場所を選んだりして、五感を使わないようにします。マインドフルネスが五感を研ぎ澄ますのと反対です。ニーマルさんのこの説明を読んで、なるほどな、と思いました。
 
また著者は、マインドフルネスは瞑想のための準備でもあると言います。マインドフルネスで気づきを高め、さらなる内的成長のために瞑想をする。両方を続けることで、最大の効果を得ることができるのです。
 
本書の特徴は、マインドフルネスのコツや瞑想の技法を説明するだけでなく、一般人の悩みに対してマインドフルネス的な解答を著者がしていることです。その悩みは「収入を増やしたい」や「職場に苦手な人がいる」といった身近なものばかりですが、ニーマルさんが真摯に答えている姿に好感が持てます。


ティク・ナット・ハンの幸せの瞑想 マインドフルネスを生きるプラムヴィレッジの実践

 

ティク・ナット・ハンの幸せの瞑想

 
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ベトナムの有名な禅師であるティク・ナット・ハン老師の本です。
ハン老師はダライ・ラマ14世とたびたび並び称される平和活動に尽力された仏教徒です。祖国のベトナムから長らく帰国を拒否されたこともあり、チベットに帰国できないダライ・ラマ14世と似た境遇ですね。フランスにプラムヴィレッジと呼ばれる瞑想センターを開設し、その地を訪れる世界中の人々に教えと指導を与えてきました。その指導内容が書籍化され、百冊を超える本が出版され、世界各国で翻訳されています。日本でも多くの支持者がいるようです。
 
数あるハン老師の書籍の中でなぜこの本を選んだかというと、原書 "Happiness" がベストセラーで、海外の空港の免税店で必ずと言っていいほど平積みされており、出張や旅行のたびに目にして気になっていたからです。英語も読みやすいのですが、ハン老師の本はとても詩的で英語のポエムを読み慣れていないと本意を理解し損ねるため、翻訳本が出るまで読みませんでした。本書の訳者の方は、ハン老師の教えを長く学んでいる方ですので、とてもわかりやすく表現され、エッセンスを上手に伝えられています。ハン老師の最初の本としてもオススメです。
 
本書では、日常を丁寧に心深く生きるための手法が数多く紹介されています。ハン老師の言葉を読むと、背筋がすーっと伸びる感じがして心が落ち着きます。瞑想的な文章なのですね。本書の特徴としては、大人に対してのマインドフルネスの手法だけでなく、子どもと一緒に行う実践方法に多くのページが割かれていることです。小さなうちからマインドフルな暮らしを自然にできるようになると、大きくなってからのメリットが大きいのでしょう。
ハン老師は、マインドフルネスの語源は仏陀の古代仏教の教えが残されているパーリー語の「サティ」の訳語で、漢訳の「念」に当たると考えておられたようです。つまりマインドフルな心は、入念で注意深く、暮らしの美しさに気づくことができる状態です。念の文字にある「今ここにある心」として覚えておくとわかりやすいですね。その反対が「Forgetfulness」、つまり散漫でぼんやりとした心であり、気づきのない意識状態であるとのことです。(ちなみに、エレン・ランガーはこの状態を「マインドレスな心」と称しています)
 
本書を読めば、マインドフルな心を保つには、瞑想が有効ではありますが、それ以外にも暮らしに取り入れることが可能なさまざまな手法があることがわかります。


ハーバード・ビジネス・レビュー(EIシリーズ) マインドフル・リスニング

 

(EIシリーズ) マインドフル・リスニング

 
https://www.yodobashi.com/product-detail/100000086601182743/
 
経営誌である「ハーバード・ビジネス・レビュー」に掲載された「マインドフル・リスニング」のテーマの論文・記事でまとめられた本です。こちらも本記事の一冊目に紹介した「マインドフル」と同様にエッセイ形式で読みやすく、しかもエビデンスが豊富ですので、信頼できる内容です。
 
ビジネスの領域でマインドフルネスを活用する方法は数多くありますが、個人的にも「マインドフルに相手の話を聴く力」は、とくに部下を持つリーダーには欠かせないスキルだと思います。私もたくさんの上司と働いてきましたが、やはり会社で出世するリーダーには我の強い人が多く、部下に対して一方的に話をして、部下の話をあまり聞かない人は珍しくありませんでした。その反対に、自分の話に興味を持ってじっと聞いてくれる上司は非常に稀ですが、そのような上司に恵まれた時には「この人は自分のことを理解してくれている。自分はツイている。この人のために役立てるように頑張りたい」と感じたものでした。
 
本書はマインドフルネスの研究というよりも、アクティブ・リスニングや共感的な傾聴など、カウンセリングやコーチングの資格を取得した人であればお馴染みの内容が中心になっています。ただ、「今ここに意識を置いて、目の前の相手の話に集中して注意深く聞き、判断をせずに聴く」ことが大切である、というマインドフルネスのメッセージは共通しています。聞き上手になるためには、マインドフルに聴く力を養うことがポイントなのでしょう。
 
本書では、企業においてマインドフルネスを活用した手法の導入で実績があるポテンシャル・プロジェクト創業者のラムラス・フーガードの論文が、職場ですぐに活用できる実用的な内容でした。ラムラスとは、彼がシンガポールの大学でマインドフルネス研究の学会が開かれたときにキーノートスピーカーとして招かれ、その後にメールのやりとりをして交流の機会を持ちました。欧米の企業で研修プログラムを導入し、未翻訳の複数の書籍も出版して、活躍しています。

また、本書では序文に元ほぼ日のCFOで現在は複数社の社外取締役をされている篠田真貴子さんの「聴く力」に関する記事が掲載されています。こちらも気づきが多い内容でした。これらの2本の論文に目を通すだけでも価値があります。


マインドフル・ボディ―ハーバード大学の人気教授が教える意識で身体を変える方法

 

マインドフル・ボディ―ハーバード大学の人気教授が教える意識で身体を変える方法

 
https://www.yodobashi.com/product/100000009003781111/
 
「マインドフルネスの母」として知られる社会心理学者のエレン・J・ランガーの最新の書籍です。副題で示されている通り、「ハーバード大学の人気教授が教える意識で身体を変える方法」に焦点を当て、ランガー教授の生涯にわたる『心理が肉体に及ぼす影響』というテーマに関する研究が集大成された、マインドフルネス研究の重要な一冊です。
 
興味深いことに、本書ではランガー教授自身のリアルなストーリーが率直に明かされています。ハーバード大学で初の女性常任教授(テニュア)として活躍し、ベストセラーの著者としても知られるランガー教授の率直で飾らない姿勢が、本の各所から伝わってきます。
 
書籍では、マインドフルな人のメリットとマインドレスな人のデメリットが具体的に紹介されています。ランガー教授にとって、マインドフルな状態は瞑想が必要なものではなく、「積極的な気づきを求める」ことであり、これによって気づかなかったことに気づき、知っていると思っていたことも実はよく理解していなかったと気づくことを指します。
 
また、心の状態が健康に与える影響が最も重要な要素であるため、マインドレスな人は自身の心の中に潜む「思い込み」が無自覚のまま健康を損なうことがあります。しかし、マインドフルな状態に戻すことで健康を回復する可能性があることが、さまざまな研究を通じて示唆されています。私も"人生100年時代"で折り返し地点を過ぎた年齢ですので、健康に気を配るようになりました。ランガー教授の「健康でいるためには、マインドフルな心の状態を保ち、マインドフルな人と過ごすことが重要です」というメッセージは、心に深く響きます。
 
なお、この書籍も高橋由紀子さんの翻訳です。高橋さんは原著を選ぶセンスが良いので、良書を多く手がけており、その翻訳書は外れがありません。本書も本屋で平積みされていたので、よく読まれているのではないかと思います。


頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる

 

頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる

 
https://www.yodobashi.com/product-detail/100000086601332798/
 
この本は「マインドフルネス入門」とされていますが、実際には「瞑想」に関する内容が8割を占めています。ビル・ゲイツ氏が「ストレスを解消し、心を集中させるために、誰にとっても必要なこの時代に、はじめの一歩としてぴったり」と推奨し、英国等でベストセラーになりました。
 
著者は大学生のときに僧侶を志し、アジアを旅して世界中の寺院で修行し、最終的にチベットの僧院で仏僧となり、「ヘッドスペース(Headspace)」という瞑想アプリをサブスクリプション販売しているスタートアップを創業しました。「10分間瞑想」をはじめとして、多くの人に瞑想を広めることをミッションとしています。
 
本書は瞑想中心ではありますが、ボディスキャンやマインドフル・ウォーキングなど、マインドフルネスの基本的なエクササイズも合計10種類紹介されています。
 
なお、「頭をからっぽにする」という表現は、著者が創業した「ヘッドスペース」の翻訳だと思われます。頭をからっぽにするために、思考や感情で頭がごちゃごちゃしている状態を瞑想することで落ち着かせ、心に空間(スペース)を作り出すテクニックを著者は伝えたいと考えているようです。瞑想を始めたばかりの頃、私も自分の頭の中がどれだけ混沌としていて、ネガティブなセルフトークが絶え間なく続いているかに気づき、驚きました。そのため、「頭をからっぽにする」ことの有益さを理解しています。その状態にするのは簡単ではありませんが…。


スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック

 

スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック

 
https://www.yodobashi.com/product-detail/100000086600475530/
 
この本はスタンフォード大学医学部の脳外科医である著者の「自伝」です。貧困家庭で育ち、父親がアルコール中毒、母親が精神を病んでいた環境で成長し、医学部を卒業して医師となり、資産家になるも人生が逆転し、その後に大学内に共感と利他の実証研究と教育を行う組織を設立し、利他的な人生を歩むまでの波乱万丈の人生が描かれています。
 
なぜマインドフルネスの本かというと、著者が少年時代に教えられた4つの人生を変えるレッスン(本書ではマジックと呼ばれています)が、マインドフルネスの技術を応用したものであるからです。正確には4つのマジックのうち最初の3つがマインドフルネスの手法であり、最後の1つは自分の夢を叶えるビジュアライゼーションの技術です。著者の人生ドラマを読みながら、マインドフルネスについて学ぶことができる本です。
 
マインドフルネスで身体の緊張を緩め、心を落ち着かせ、心を開いた後に、なりたい自分を描く視覚化をすることで夢が実現する…。そんなこと起こるのだろうか、と疑う人もいるかもしれません。エビデンスを取れないので信じがたいでしょう。ただ、私がリスペクトするある経営者は、週末や休暇でリラックスしているときに自分の夢や願望をノートに色鉛筆などを使ってカラフルに描くことで視覚化し、その後の人生でそれらの夢を次々と叶えてしまった実績の持ち主です。ですので、著者が伝える4つのマジックは再現性のあるものかもしれない、と個人的には思っています。



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日時:2024年3月16日(土)10:00 - 18:00

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・2024/1/13, 2/10, 3/9, 4/13, 5/25, 6/8 10:00-11:30
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