ダニエル・ギルバート博士の『私たちが幸せを感じる理由』
TED会議(2004年2月) 21分20秒
ハーバード大学心理学部教授のダニエル・ギルバート博士は、私たちの幸せに対しての観念は間違っていることが多いと考えています。それは脳が何を幸福にするかについて間違った判断をするから。それは心理学と脳科学の研究からサポートできるとされます。
「自然発生的幸福とは欲したものが手に入ること。 そして人工的幸福とは、欲するものが手に入らなかったときに自ら作り出す幸福です。私たちの社会では、人工的幸福は二流の幸福であるという強い信念が横行しています」と言う様に、ギルバート博士の伝える二種類の幸福についての話はとても興味深いものがあります。
自分の脳が生み出す人工的な幸福感は、望んでいたものを実際に手にする体験による幸せ感と同じくらいリアルであり長続きする。「幸福は我々次第である」と言ったのは古代ギリシアのアリストテレスですが、私たちの脳はとてもリアルな幸福感を生み出すことが可能なのかもしれません。
未来の出来事に関する感情反応を予測すると、実際にその時になって感じられる感情反応を過大評価する。ギルバート博士はこの「感情予測」研究の第一人者でもありますが、このテーマについてはニューヨークタイムズのベストセラーリストにも入った「幸せはいつもちょっと先にある-期待と妄想の心理学」にわかりやすく書かれています。