マーティン・セリグマン教授によるポジティブ心理学のTED講演

TED会議(2004年2月)

改稿:2023/1/30

マーティン・セリグマン教授はポジティブ心理学の創始者として知られています。1998年に全米心理学会会長としてこの新分野を提唱し、ペンシルベニア大学大学院教授を務めながらポジティブ心理学の研究を支援し、育成に努めました。
 

セリグマン

 
セリグマン教授のポジティブ心理学への貢献は、父親の病によるショック体験と犬の実験を観察した「学習性無力感」の研究から始まりました。その研究は、彼を心理学の専門家として世界的に評価するものとなりました。
 
セリグマン
ところが、その研究をしているうちに、対象者の中にどれほど失敗やストレスに直面しても、立ち直りが早い人がいることに気付きます。失職・失恋・病気・離別などつらい経験をした後、絶望に打ちひしがれるのではなく、めげずに再起し幸せに生きていく人がいる。なぜか? この疑問が、セリグマン教授を「楽観性」の研究へと導きました。



セリグマン

セリグマン教授の研究テーマは、「学習性無力感」から始まり、失敗やストレスに直面しても立ち直りが早い人がいることから「楽観性」の研究へと発展し、最終的には包括的なポジティブ心理学へと拡大されました。彼の著書「世界でひとつだけの幸せ」は欧米でベストセラーとなり、ポジティブ心理学研究がメディアに取り上げられるようになりました。



 
後に、セリグマン教授はTEDカンファレンスに招かれて登壇します。テーマは、「ポジティブ心理学」です。
 

セリグマン
この講演では、セリグマン教授が「心理学は人の弱さだけでなく、強さにも関心を向けるべきである」と述べます。そして「一般の人々の人生をより充実させること」にポジティブ心理学の研究が貢献できると語りました。それは様々な幸福度を測定し、強みと長所を分類して理解することであり、高い幸福度の人と低い幸福度の人の違いを分析することも含まれます(その違いについてはビデオをご覧ください)。

 
後半に語られる3つの「幸せな人生を送る方法」は注目に値します。その考え方は後に「PERMA」と呼ばれる5つの道に引き継がれますが、初期のポジティブ心理学の考え方を非常に分かりやすく教えてくれます。
 


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セリグマン
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