子供のレジリエンスを育てる重要な外的要因として、「安定した家庭」「お手本としての親」「学校環境」の三つが挙げられています。
レジリエンス・キッズを育てるには、まず周りにいる大人たちが自分を振り返ってどんな“自分”であるかを知り、レジリエンスとは何かを理解し、身につけることが望まれます。
例えば、親が無意識に発するネガティブな口癖は、子供たちにじわじわと浸食し、同じようにネガティブな思考をさせるようになり、子供たちの幸福度に影響を与えてしまいます。子供たちにそのような口癖を向けているのであれば、それに気づき改める必要があります。
困難にあってもレジリエンスを発揮し前向きに対処する親の姿勢をお手本にできれば、子供たちもレジリエンスを身につけることができるのです。
本書では、「パパ・ママ向け」あるいは「親子」で行う、20のワークが用意されています。ワークをしてみて自分の望ましくない部分が見えてもいいのです。お子さんと一緒にレジリエンスを身につけていくチャンスです。
スキンシップは子供の自尊心を高める効果があります。久世さんは、夜寝る前にお子さんたちをマッサージしてあげるそうですが、その間、お子さんもいつもより多弁になり、貴重な親子の対話の機会となっているそうです。
「レジリエンス・パパ」久世さんの子育てエピソードからも、親子でレジリエンスを高めていくためのたくさんのヒントを得ることができるでしょう。
レジリエンスは、困難や逆境に対する精神的な免疫力と言えます。
“免疫力”は、幼いころから持っているにこしたことはありません。長く続くこれからの人生を、逆境を怖れず、チャレンジをし、「折れない心」をもって、より有意義に過ごすことができるからです。
今、レジリエンスにこれだけ注目が集まっているのは、誰もが持っているはずの免疫力や自然な回復力をうまく発揮できないことへの危機感があるからでしょう。
本書で紹介されている20のレッスンには、すべてにワークシートが掲載されていて、テーマ別に分かりやすく取り組むことができます。一つ一つのワークを行ううちに、新しい気づきがあり、“免疫力”が強化されていくことでしょう。
ぜひ家族皆でレジリエンスを鍛えるレッスンを始めましょう。
はじめに ~子供が幸せな未来を手に入れるための鍵とは?~
序章 レジリエンスとは?
第1章 「自尊心を高める」
第2章 感情調節の方法を学ぶ
第3章 自己効力感を高める
第4章 楽観性を高める
第5章 人間関係の質を高める
おわりに
参考書籍・文献
NHKエデュカチオ!スタッフブログ「親子で育む“折れない心”」
一般社団法人日本ポジティブ教育協会「親子向けレジリエンス教室」